オフィスの装飾は、色やアート、装飾小物を選ぶだけではありません。それぞれの要素が、賃借している事務所の床面積、働き方、建物の設備、改装条件にも合っている必要があります。
装飾のコンセプトを選ぶ前に、企業はどのエリアに投資が必要か、各スペースをどのくらいの頻度で使うか、オフィスをどのくらいの期間使用するかを見極めるべきです。こうすることで、不要な装飾工事を抑え、賃貸契約終了時の撤去や原状回復にかかるコストを減らせる可能性があります。

1. 機能エリアごとに観葉植物を配置する
植物は、受付、共用ワークスペース、会議室、あるいは活用されていない隅によく置かれます。小さな鉢をオフィス中に分散させる代わりに、適切なサイズの植物のまとまりをいくつか配置すれば、動線を確保しながら見どころをつくることができます。
植物の置き場所は、自然光、湿度、従業員の動きに基づいて選ぶ必要があります。日光が少ないエリアには、手入れの手間が少ない種類か、質の高い人工植物が適しています。
水やり、植物の入れ替え、周辺の清掃も、オフィスの運営計画に含めておくべきです。
2. アートを目に入りやすい場所に飾る
アートは、受付、会議室、廊下、来客用ラウンジの背面の壁などに適しています。主題や視覚的なスタイルは、インテリアのコンセプトや会社の事業分野に合ったものにしましょう。
小規模なオフィスでは、同じ壁に小さな作品をいくつも飾るより、大きな作品を1点飾るほうが効果的な場合があります。この配置なら、空間がすっきりと見え、余計なディテールも減らせます。
壁に穴を開けたり固定式の額縁を取り付けたりする前に、企業はビルの内装工事規定と、賃貸契約に記載された原状回復の要件を確認すべきです。
3. 実際の機能に基づいて家具を選ぶ
デスク、椅子、収納家具、フレキシブルな座席エリアは、オフィスの使用可能面積の大きな割合を占めます。そのため、家具の選定は、従業員数、業務上の要件、各スペースの使用頻度に基づいて行うべきです。
ケーブル配線を内蔵したデスクは、作業面をすっきりと保ちます。低いキャビネットは収納を提供しながら空間を区切ることができ、キャスター付きテーブルは、研修室やレイアウトを頻繁に変更するエリアに適しています。
オーダーメイドの家具は、実際の事務所に合わせて採寸する必要があります。特殊性の高いデザインは、会社が移転する際に再利用しにくいことがよくあります。
4. 装飾照明とタスク照明を組み合わせる
ペンダントライト、デスクランプ、間接照明は、受付カウンター、パントリー、来客用ラウンジの周辺でよく使われます。これらの器具は照明にもう一つの層を加えるものであり、作業エリアの主要な照明システムの代わりにしてはいけません。
設置の前に、企業はコンセント、天井高、システム容量を確認すべきです。全体照明と色温度が大きく異なる装飾照明は、インテリアに統一感がなく見える原因になります。
ワークステーションと会議室では、十分な照度を優先する必要があります。従業員が日常的に画面を使用するエリアでは、まぶしさや映り込みの原因となる直接光も避けるべきです。

5. カーテンとパーティションで空間を区切る
ウィンドウブラインドは、ファサードから入る日光の量を調整します。特に直射日光を受ける面で有効です。ロールブラインドは、場所を取らず、窓の区画ごとに調整できるため、現代的なオフィスでよく使われています。
ガラスのパーティションは、視認性を保ち、エリア間で光を通しながら会議室を区切ります。より高いプライバシーが必要な場所には、すりガラス、目隠しフィルム、内蔵ブラインドを追加できます。
可動式パーティションは、研修室、大きめの会議室、社内イベントスペースに適しています。設置の前に、その遮音性能を確認しておく必要があります。
6. ブランドカラーを一部のディテールに取り入れる
ブランドカラーは、受付カウンター、座席、アクセントウォール、サイン、選んだインテリアのディテールを通じて取り入れることができます。企業は、オフィス全体にメインカラーを使う必要はありません。
コントラストの強い色は、ニュートラルな背景に対するアクセントとして使うほうが一般的に適しています。このやり方なら、強すぎる職場環境をつくることなく、ブランドの認知性を明確に保てます。
賃貸期間が短いオフィスでは、デカール、取り外せるサイン、置き家具のほうが、塗装した壁や固定の造作よりも変更しやすくなります。
7. メインのフィーチャーウォールを1つつくる
受付カウンター背面の壁は、会社のロゴや主要なブランド要素に使われることが多くあります。パントリー、廊下、共用エリアを、壁画、企業メッセージ、企業文化に関する展示に使うオフィスもあります。
仕上げには、テクスチャー塗装、木、金属、ガラス、吸音パネルなどがあります。素材の選定は、予算、施工スケジュール、ビルの防火安全要件に基づいて行うべきです。
一貫した視覚的方向性のないまま複数の離れたエリアを装飾するよりも、しっかりと作り込んだフィーチャーウォールを1つ設けるほうが、通常は効果的です。
8. ビルのファサードからの自然光を活用する
ワークステーションや使用頻度の高いエリアは、窓際を優先すべきです。会議室、収納エリア、設備室は、レイアウトが許せば、フロアの奥に配置できます。
透明またはすりガラスを組み合わせたパーティションは、必要なプライバシーを保ちながら、日光を内側のエリアまで届けます。日光を大きく遮る場合は、背の高いキャビネットや壁状のパーティションをファサードのすぐ沿いに置かないようにしましょう。
強い日差しを受ける面では、ブラインドで自然光を調整する必要もあります。適切な日よけがないと、一日のある時間帯に窓際の温度や空調の消費量が増える可能性があります。
9. 事務所の設備条件に合わせて天井をデザインする
オフィスの天井は、システム天井のパネル、石膏ボード、設備を露出させるオープンシーリングのいずれかで仕上げるのが一般的です。それぞれ、有効天井高、メンテナンス、施工コストに関する要件が異なります。
オープンシーリングは高さの感覚を高め、インダストリアルなインテリアスタイルに合いますが、ダクト、電気ケーブル、設備を整然と配置する必要があります。石膏ボードの天井は設備をよりうまく隠せますが、メンテナンスのための点検口が必要です。
天井のデザインを確定する前に、企業は実際の天井高と、スプリンクラー、空調機器、照明器具の位置を確認すべきです。天井の変更は、他の複数の設備システムに影響することがよくあります。
10. 廊下をオフィスレイアウトの一部として扱う
廊下には、ワークエリア、会議室、パントリー、非常口の間を十分な幅ではっきりと結ぶ必要があります。装飾品が動線を妨げたり、安全標識を覆ったりしてはいけません。
長い廊下では、照明、床材、ブランドグラフィックを使って、視覚的な区切りをつくることができます。交差部分は、混雑時の衝突リスクを減らすために、開放的で見通しの良い状態に保つべきです。
床面積が限られている場合は、廊下に製品の展示や社内の掲示板を設けることもできます。動線が狭くならないよう、これらの設置物の奥行きは抑える必要があります。
11. 床材と色でエリアを区別する
オフィスのインテリアでは、ビニール、タイルカーペット、複合フローリング、タイルがよく使われます。床の色や素材を変えることで、ワークエリア、会議室、パントリーを示すことができます。
タイルカーペットなら、損傷したり汚れたりした部分だけを個別に交換できます。硬質の床材は、パントリー、プリントエリア、人通りの多い場所で清掃しやすくなります。
床の仕上げを変更する前に、企業は当初の引き渡し時の状態と、賃貸人の原状回復の要件を確認すべきです。賃貸契約によっては、契約終了時にテナントが元の素材や状態に戻すことを求められる場合があります。
12. 収納と空間の区切りを兼ねる
オープンシェルフは、壁を設けずに2つのエリアを区切ることができます。低い棚はオフィス全体の見通しを保ち、背の高い収納は、書類や機器の保管量が多い会社に適しています。
パントリーや共用エリアでは、棚に家電、カップ、書類、装飾品を置くことができます。視覚的な雑然さを防ぐため、飾る物の数は限定しておくべきです。
床や壁に固定する棚は、内装工事および原状回復の範囲に含めておく必要があります。移転後に家具を再利用するつもりであれば、自立式のものがより適しています。

13. 必要なアクセサリーでワークステーションを整える
卓上カレンダー、書類トレー、モニタースタンド、ケーブルオーガナイザーは、直接的な作業機能を果たします。これらの寸法はデスクのサイズに合わせ、使用できる作業面の大半を占めないようにすべきです。
企業は、すべてのワークステーション共通のアクセサリーセットを定めることができます。そうすればオフィスの見た目に統一感が出て、新入社員のデスクを追加する手間も省けます。
社内ルールや企業文化に応じて、個人の装飾も一定の範囲内で認めることができます。
14. 来客エリアには生花を使う
生花は、受付カウンター、会議テーブル、社内イベントエリアに適しています。アレンジメントの大きさはテーブルに合わせ、向かい合って座る人同士の視線を遮らないようにしましょう。
定期的な手入れを担当するスタッフがいないオフィスでは、ドライフラワーや装飾用の植物のほうが運用の手間は少なくなります。また、密閉された空間では、香りの強い花も避けるべきです。
生花のアレンジメントを長期的に維持するつもりであれば、定期的な入れ替えの費用も考慮する必要があります。
15. アクセサリーは一貫したシステムの一部として選ぶ
時計、サイン、クッション、陶器、ディスプレイ用の小物は、一貫したインテリアスタイルに沿ったものにすべきです。関連性のないものを別々の時期に追加すると、オフィスがちぐはぐに見えてしまいます。
アクセサリーは、オフィス全体に散らすのではなく、受付、パントリー、来客用ラウンジなど、選んだエリアに集中させるべきです。主要な作業エリアは、日々の業務のために、デスクと動線をすっきりと保つ必要があります。
企業は、移動、清掃、再利用がしやすいものを優先することも大切です。こうしたものは当初の引き渡し時の状態への影響が小さく、運営上の要件が変わったときにも入れ替えることができます。
オフィスを装飾する前に確認すべき要素
設計プロセスを始める前に、企業は賃借面積、引き渡し時の状態、天井高、空調システム、電気容量、ビルの内装工事規定を確認すべきです。これらの詳細によって、どの要素を変更できるか、また必要な投資水準が決まります。
賃貸期間も、投資判断に影響します。長期の事務所にはカスタマイズしたインテリア要素が適しており、短期のオフィスでは置き家具や取り外し可能な設置物を優先すべきです。
予算には、当初の工事費に加えて、賃貸契約で必要とされる場合には、内装工事の管理費、工事中に使用する電気・水道、原状回復費用を含める必要があります。
デザインに合うオフィスを見つけるには
整った形のフロアプレート、適切な柱の配置、十分な自然光があれば、一般的にオフィスの計画の選択肢は広がります。ただし、企業は賃貸契約を結ぶ前に、電気容量、空調システム、人員密度、内装工事の条件も評価すべきです。
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